SpaceX Testing: Merlin 1D Engine Firing
スペースXは「ULAによる軍事衛星の独占は違法である」と裁判所に提訴しました。他の企業にもロケット打ち上げの競争のチャンスがあることを主張しました。
ついに、2015年5月26日にアメリカ空軍はスペースXにファルコン9による衛星の打ち上げを許可を出します。
なぜ、スペースXがULA(ボーイングとロッキード・マーチンの合同会社)の牙城を崩すことができたのでしょうか?
ULAの「アトラスVロケット」は、安価で信頼性も高いロケットですが、なんとロシア製の「RD-180」ロケットエンジンを使用していました。非常に高性能で安価のロケットエンジンでアメリカでは製造できない高レベルのエンジンでした。
しかしながら、2014年頃から、ロシアのクリミア併合やウクライナの問題を巡り、ロシアとアメリカの関係が悪くなり始めました。
アメリカ議会はロシアに経済制裁を始めました。ロシアの「RD-180」ロケットエンジンの使用も停止されることになりました。
このことが、きっかけとなりスペースXが軍事衛星の打ち上げを勝ち取ることになりました。もちろんスペースXの「マーリン1D」エンジンはアメリカ国内で生産されているため問題ありません。
こうして、新興企業スペースXに人工衛星の打ち上げの道が開かれました。
(いずれ、イーロン・マスク氏率いるスペースXのドラマチックな奮闘ぶりを描いた海外ドラマが作成されるかもしれませんね。)