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軍需・防衛産業への投資

ノースロップ・グラマン 2020年第3四半期決算

 

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MEAS マルチロール電子スキャンアレイ

 2020年10月22日に、ノースロップ・グラマン[NOC]は、2020年の第3四半期の決算を発表しました。

 

・売上高は7%増加して91億ドルになりました。
・EPS(一株当たり利益)は7%増加して5.89ドルになりました。
・営業からのキャッシュフローは19%増加して14億ドルになりました。
・2020年の売上のガイダンスが引き上げられました。

 

 航空機部門    29億ドル

 防衛システム部門 18億ドル

 作戦システム部門 25億ドル

 宇宙システム部門 22億ドル

 合計       91億ドル

 

 航空機部門の2020年第3四半期の売上高は、有人機と自立航法システムの両方の売上高の増加により、1億4400万ドル(5%)増加しました。
 早期警戒機のE-2D(ホークアイ)およびF-35シリーズが順調でしたが、民間航空機の減少がありました。 

 

 防衛システム部門の2020年第3四半期の売上は、戦闘管理システムやミサイルシステムの販売の減少により、7200万ドル(4%)減少しました。
 いくつかの小口径の弾薬プログラムが完了し(新型6.8㎜弾のことでしょう)、誘導型多発ロケットシステム(GMLRS)、先進型対レーダーミサイル(AARGM)プログラムが貢献しました。

 

 作戦システム部門の2020年第3四半期の売上高は、2億4100万ドル(10%)増加しました。
 主に、マルチロール電子スキャンアレイ(MESA)およびF-35プログラム。 ナビゲーション、ターゲティングシステムなどが貢献しました。

  宇宙システム部門の2020年第3四半期の売上高は、ロケットや弾道ミサイルの売上高の増加により、3億1,300万ドル(17%)増加しました。
 引き続き次世代遠赤外線観測衛星(次世代OPIR)やNASAの月着陸のアルテミス計画。 極超音速ミサイルとその発射装置プログラムなどが好調でした。

 

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 今回は宇宙システム部門の売り上げが伸びています。流行りの極超音速ミサイル関連が大きいですね。中国、ロシアが実戦配備している極超音速ミサイルは探知が難しいとされていますが、次世代遠赤外線観測レーダー(次世代OPIR)を改良し精度を上げれば探知が可能とされています。探知衛星を配備するためスペースX社のロケットで大量に打ち上げる計画もあるそうです。

 また、月面着陸はアマゾンのジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジン社が主導しています。ノースロップグラマンは前回のアポロ計画でも月着陸船を担当しています。

 

 

 ロッキード・マーチンノースロップ・グラマンの決算を読み込んでいると、「誘導型多発ロケットシステム(GMLRS)」のキーワードをよく見かけます。海洋進出を進める中国に対し、アメリカは中国近海の島々に短距離弾道ミサイルを配備する方針です。

 

 アメリカ政府は、新型大陸間弾道ミサイルノースロップ・グラマンに受注しています。アフターコロナ後の世界情勢が変化し再び核抑止力が必要な世界になってきました。でも、株価は下がっています。なんでや?

 

 

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