ロッキード・マーチン[LMT] 2021,Q3 の状況
・160億ドルの売上高
・6億1400万ドルの純利益、一株当たり2.21ドル
・営業からのキャッシュは19億ドル
・年間売上高のガイダンスを引き下げ670億ドルとなっています。
各部門の売上高
2021年第3四半期の航空機部門の売上高は66億ドルでした。ステルス戦闘機F-35シリーズ関連の売り上げが減少しました。F-16戦闘機の改修プログラムが好調でした。
2021年第3四半期のミサイル&火器管制部門の売上高は、2020年の同時期と比較して1億9000万ドル(6%)減少しました。これは、対戦車ミサイル「ヘルファイア」の売り上げが減少したことに起因します。
2021年第3四半期の回転翼機&作戦システム部門の売上高は、2020年の同時期と同等でした。レーダー監視システムや沿岸戦闘艦のプログラムが減少しましたが、シコルスキーの汎用型のブラックホークヘリや超大型ヘリCH-53K、戦闘救助ヘリコプター(CRH)の量が増加したためです。
艦船に搭載される垂直発射システム「VLS」が若干減少しました。(MK.41.VLSとは?動画を見てね!)
2021年第3四半期の宇宙部門の売上高は、2020年の同時期と比較して1億4700万ドル(5%)減少しました。
主な原因は、イギリスの核兵器製造工場が英国政府により国有化されたためです。
しかしながら、極超音速ミサイルの開発プログラムに大きくボリュームがあり営業利益は増大しています。
今期は、主力であるステルス戦闘機F-35シリーズの生産が低調でした。しかし第4世代のF-16戦闘機を改修するプログラムが堅調です。F-16戦闘機は採用国が多く東南アジア諸国でもたくさん配備されています。
アメリカ軍がアフガニスタンから撤退し、「ヘル・ファイア」対戦車ミサイルの需要の落ち込みがあり、長年続いたテロとの戦いが終わったことがこの決算からも読み取れます。
このところロッキード・マーチンの株価がトーンダウンしていることがよくわかる低調な決算でした。
しかし、極超音速ミサイルの発射試験の成功や製造工場の立ち上げなど次の一手に投資をしているなど大きな動きもあった第3四半期でした。