2022年2月27日、イーロン・マスク氏率いるアメリカの新興宇宙開発企業「スペースX」はウクライナでスターリンク通信衛星のサービスを開始すると発表しました。
ロシアのウクライナ侵攻にでウクライナの通信事情が悪くなっているためウクライナのミハイロ・フョードロフ副首相兼デジタル担当相から要請を受けました。
戦争では相手国の通信網を破壊することがよくありますが、スターリンク衛星は
すでに2000機以上周回軌道に展開しています。さらに超小型衛星の為すべてを撃ち落とすことは不可能です。(ロシア側からのジャミングなどの電波妨害が予想されますが広大なウクライナすべてに妨害は無理でしょう。)
スターリンク衛星通信のユーザーの動画を見ているとパラボラアンテナをセットアップしてケーブルと電源を確保すればつながるようで通信速度52MBpsとなっています。
(少し前のトンガ王国で起こった噴火でも海底ケーブルが切断されましたが、スターリンクは通信システムを提供しています。)
また、スペースXは2022年1月2月だけでもファルコン9ロケットを8回打ち上げて成功しています。近年ではアメリカ宇宙軍の人工衛星の打上が増えてきています。
ライバルのユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)のロケットのエンジンがロシア製なのでロシアとの関係が悪化する状況では調達がうまく進まないことがあります。
しかし、スペースXのファルコン9のマリーンエンジンは自社で製造しているため安定性して供給することができます。
今回のイーロンマスク氏の決断は素晴らしく、改めてスペースXのフットワークの軽さに驚きました。