ファルコン9(再利用ロケット)の打ち上げと無人船への垂直着陸
試行錯誤の末、「スペースX」社は、ファルコン9ロケットを開発します。このロケットの特徴は、発射後、宇宙まで到達し2段目のロケットを切り離した後、1段目のロケットが地球に戻ってくる点があります。
ロケットを再利用することにより大幅に打上げコスト削減が可能となり従来の衛星打ち上げの70%程のコストで利用可能となりました。
しかし、実績のない「スペースX」の前には、ロッキード・マーチンとボーイング連合の「ULA」社の壁が立ちはだかっていました。
「スペースX」は、アメリカ空軍からファルコン9ロケットで軍事衛星を打ち上げるための認証の手続きを始めました。
手続きを進めると同時に、「ULAによる軍事衛星の独占は違法である」と裁判所に提訴しました。
もちろん、アメリカ空軍や「ULA」は、猛反発しました。もともと、軍事衛星用に開発されたロケットを打ち上げて専属で使用しているからです。また、「ファルコン9」より「アトラスロケット」や「デルタ・ロケット」の方が信頼性が高いなどっといった点を主張しました。
しかし、「スペースX」は、他の企業にも競争のチャンスがあることを主張しました。
安全性などで不利な点がある「スペースX」ですが、不安定な世界情勢が味方し、幸運の女神が微笑むことになります。