2019年6月20日に、ロシアの爆撃機Tu-95が日本の領空を侵犯しました。
Tu-95は、ロシア航空宇宙軍が所有するターボプロップの戦略爆撃機です。NATOのコードネームは「ベア(熊)」です。現在60機程度が運用されています。1950年代に開発され、特徴的な点は、プロペラが2重についているところです。また、給油なしで15,000kmも飛ぶことが来ます。
これは、2重反転プロペラといわれるもので、2つのプロペラがお互いに逆に回ることで、トルクを打消し燃費も優れるそうですが、ギヤなどの機構が複雑でメンテナンスが困難でもあります。
従って、西側諸国のプロペラ機にはほとんどない機構です。(一部のレース用プロペラ機に採用されていることがあるくらいです。)
古い機体ですが、ロシアは少しづつ近代化をして現在の情勢に対応できるようにしています。2015年からはシリアの内戦で「Kh-101」巡航ミサイルを発射してします。
「Kh-101」の特徴
- 種類 ALCM 空中発射巡航ミサイル
- 全長 7.5m
- 直径 0.75m
- 重量 2400㎏
- 射程距離 5000㎞
- 通常爆弾と核弾頭の2種類
近年開発されたもので、ミサイル自体にステルス形状を導入したりロシア版GPS「グロナス」で誘導が可能です。
今回のロシアの領空侵犯は、日本を目的にしつつも、米軍基地のある「グアムやハワイを射程に収めているぞ」とのメッセージかもしれません。