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軍需・防衛産業への投資

ロッキード F-117A その2

 なぜ、レーダーに映らない攻撃機が必要となったのでしょうか?

 東西冷戦時にソビエト連邦は、レーダーと地対空ミサイルを組み合わせた装備を開発しました。ベトナム戦争においてソ連から支援を得た北ベトナムアメリカ空軍機を撃ち落します。もし、ヨーロッパでソ連と武力衝突が起きるとNATO軍は大ダメージを受ける可能性が出てきました。

 

  そこでレーダーに映らない航空機の開発が始まりました。1962年にソビエトの学者ピョートル・ウフィムツェフが、「鋭角に接する波動測定法に関する物理的回析理論」についての論文を書きました。ソ連では注目されませんでしたが、アメリカ空軍の技術者がこの論文を読み開発に弾みがつくことになります。

 

 レーダーに反応する強さを示す値としてRCS Radar Cross-Section (レーダー反射断面積)」があります。この数値が小さいほどレーダーには映りにくいとされています。

 F-117Aは、レーダーの反射を極力違う方向になるように設計されました。それと同時に「RAM Radar Absorbing Materials(レーダー吸収材)」の開発も進められました。

 開発された時代のコンピューターの性能が低く一面一面づつしか計算できなかったため、F-117Aは非常に変わった形状をしています。

 また、相手側から探知されないように、F-117Aは捜索レーダーなどの装備を省いています。

 また、ステルス性能を優先するあまり、航空機としては飛びそうにない形状になっています。それを補うためコンピュータで制御しています。

 装備は「GBU-27/BペイブウェイⅢ」を2発装備しています。この爆弾はレーザー誘導方式です。湾岸戦争で雲や砂嵐など気象条件などに左右されることが判明したので、改良版ではレーザー+GPS誘導方式を取り入れています。