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F-117A その3 コソボで撃墜!

  さて、レーダーに映らない無敵のF-117Aですが、1999年3月27日にユーゴスラビアの内戦で撃墜されてしまいます。

 コソボ空爆を行っていたアメリカ軍は、毎回同じルート使って攻撃を行っていました。さらにこの日天候が悪くほかの戦闘機の護衛もついていませんでした。

 

 待ち構えていたのは、ユーゴスラビア陸軍の防空ミサイル師団のゾルターン・ダニ中佐です。ダニ中佐は、ソ連製のミサイルの誘導プログラムを書き換えたりするほど頭の切れるの人物です。VHF(超短波)やUHF(極超短波)レーダーを使い飛行中のF-117Aのおおよその位置を割り出しました。

 F-117Aは目的上空でGBU-27/Bペイブゥエイを投下するために、ウエポンベイのドアを開けました。 

 

 ダニ中佐この瞬間を逃しませんでした。レーダーに映ったF-117Aに向けて地対空ミサイルを2発発射し、手動でコンロールしF-117Aの予想進路先にミサイルを向けました。

 なんということでしょう!2発目がF-117Aの至近距離で爆発。バランスを崩したF-117Aは墜落しました。パイロットは緊急脱出し特殊部隊に救助されました。

 

 ユーゴスラビア軍は、F-117Aの残骸を回収しました。驚いたことに機体の一部に木材が使われていたり、表面の塗装はゴムシート状でナイフで簡単に切り取れるような物質でした。

 

  墜落したF-117Aの残骸の一部を中国が回収しました。しかし、アメリカはコソボの中国大使館を「地図が古く、間違って」空爆しました。

 

 それから約9年後の2008年8月にF-117Aは、全機(約50機)退役することになりました。しかし、ステルス性能の高さからきちんと保管されています。そして、2014年に飛行テストをしているのが目撃されています。今後、無人機として再利用されるかもしれません。

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