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ノースロップ・グラマン 2020年第2四半期決算

 


NATO Alliance Ground Surveillance (AGS) – RQ-4D Phoenix

 

2020年7月30日に、ノースロップ・グラマン[NOC]は、2020年の第2四半期の決算を発表しました。

 

・売上高は5%増加して89億ドルになりました。
・EPS(一株当たり利益)は19%増加して6.01ドルになりました。
・営業からのキャッシュフローは45%増加して23億ドルになりました。
・2020年のガイダンスが引き上げられました。

 

 航空機部門    29億ドル

 防衛システム部門 19億ドル

 作戦システム部門 24億ドル

 宇宙システム部門 20億ドル

 合計       89億ドル

 

 航空機部門の2020年第2四半期の売上高は、有人機と無人機の両方の売上高の増加により、2億400万ドル(7%)増加しました。
 早期警戒機のE-2D(ホークアイ)およびトリトン(動画のグローバル・ホークの海洋モデル)が順調でしたが、コロナの影響でF-35ステルス戦闘機の胴体部の減産がありました。 

 

 防衛システム部門の2020年第2四半期の売上は、戦闘管理システムやミサイルシステムの販売の減少により、3,000万ドル(2%)減少しました。
 いくつかの小口径の弾薬プログラムが順調に進みました。(新型6.8㎜弾のことでしょう)誘導型多発ロケットシステム(GMLRS)、先進型対レーダーミサイル(AARGM)プログラムが貢献しました。

 

 作戦システム部門の2020年第2四半期の売上高は、4200万ドル(2%)増加しました。
 航空レーダーやネットワークプログラムのボリューム、サイバーやインテリジェンスミッションソリューションプログラム。 航空機搭載センサーおよびネットワークが好調に増加しました。

 宇宙システム部門の2020年第2四半期の売上高は、宇宙とロケット発射と弾道ミサイルの売上高の増加により、2億6,000万ドル(15%)増加しました。
 引き続き次世代遠赤外線観測レーダー(次世代OPIR)、衛星ブロードバンドミッション(ASBM)プログラム。 極超音速ミサイルとその発射装置プログラムなどがあげられます。

 

 今回は宇宙システム部門の売り上げが伸びています。流行りの極超音速ミサイル関連が大きいです。中国、ロシアが実戦配備している極超音速ミサイルは探知が難しいとされていますが、次世代遠赤外線観測レーダー(次世代OPIR)を改良し精度を上げれば探知が可能とされています。(そのため数多く配備しなくてはならないようです。)

 ロッキード・マーチンノースロップ・グラマンの決算を読み込んでいると、「誘導型多発ロケットシステム(GMLRS)」のキーワードをよく見かけます。アメリカ政府はアフターコロナ後の世界情勢の変化を機敏に感じて軍のリソースの割り振りを変えてきています。

 コロナ禍の中でも無人偵察機の分野に強いノースロップ・グラマンにとっては追い風のようですね!

 

 

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