2022年1月25日、レイセオン・テクノロジーズ[RTX]は、2021年第4四半期と通期の業績を発表しました。
- 売上高170億ドル 通期は644億ドル
- 調整後一株当たり利益1.08ドル 通期は4.27ドル
- 当期純利益は68億ドル 通期は390億ドル
レイセオン・テクノロジーズのグレッグ・ヘイズCEOは、「通期の調整済EPSとフリーキャッシュフローが1年前の見通しを大幅に上回る好調な年を締めくくりました」と述べています。「また、今年のコストシナジー目標を上回り、事業全体でマージン拡大を実現し、23億ドルのRTX株式の取得を含む53億ドルの資本を株主に還元し、2021年の戦略と運用イニシアチブに対して強力な実行を示しました。」と談話を発表しています。
レイセオンとユナイテッド・テクノロジーズが合併して、決算のセグメントが変更となりました。大きく分けて4部門になります。
・コリンズ・エアロスペース
・プラット&ホイットニー
・レイセオンインテリジェンス&スペース(RIS)
・レイセオンミサイル&ディフェンス(RMD)
コリンズ・エアロスペース部門の売り上げは49億ドルで通期では184億ドルでした。商業機の運航が再開され旅客機関連の需要が伸びました。主に小型の旅客機が伸び、ボーイング787型機やF-35関連は需要が落ち込んでいます。
プラット&ホイットニー部門の売り上げは51億ドルで前年比15%アップでした。通期では181億ドルと8%アップしています。
商業機のエンジンのサポートが大幅に増え、軍用品の落ち込みをカバーしています。
レイセオンインテリジェンス&スペース(RIS)部門の売り上げは38億ドルで、通期では151億ドルと37%アップでした。グローバル・トレーニング部門を売却しています。
レイセオンミサイル&ディフェンス(RMD)部門の売り上げは39億ドルで前年比8%マイナスしています。通期では155億ドルと36%アップしています。
2021年通期では、レイセオン・テクノロジーズがノースロップ・グラマン[NOC]と共同開発したスクラムジェット型の極超音速ミサイルの発射試験に成功しています。
極超音速ミサイルは、すでに中国やロシアが実戦配備をしています。さらに北朝鮮も試射をするなど、従来のミリタリーバランスを崩す「ゲームチェンジャー」として開発競争が高まっています。
(動画はレイセオン・テクノロジーズのSM-2防空ミサイルです。海洋進出を強める中国に対抗する為世界的に需要が増えてきています。)